東北支部 2024年度 JATA東北支部及び青森県・岩手県・山形県支部 合同「定例会」を開催

更新日:2024年10月10日


2024年10月10日掲出 : 会報誌「じゃたこみ」掲載記事より

2024年9月24日 (火)、仙台市内にて、JATA東北支部 (青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島) 定例会および県支部 (青森・岩手・山形) 定例会を開催いたしました。
この定例会は例年7月に開催されていましたが、本年は支部組織の改編等があったため、東北支部と県支部の合同定例会を初めて9月に開催し、会員会社24社/68名が参加しました。県支部定例会では、各県地区委員会から県支部設置へ至った経緯、これまでの活動について報告及び東北支部との連携強化を図ることを確認いたしました。

東北支部定例会では、はじめに東北支部、中村浩彰支部長より挨拶があり、その冒頭、本年は能登半島の地震に始まり、夏には東北でも山形県・秋田県を中心にさらに9月には能登半島にて甚大な豪雨被害が発生したことに触れ、自然災害の脅威とその備えへの重要性や、SDGs・地球環境に対する取組みについて、スピード感をもった対応が必要であると述べました。
また、支部の組織改編にについては、各組織のガバナンス強化とともに一体感をもった運営を推進し、観光業の発展や課題解決のために積極的な議論や情報共有を行い連携していきたいと意気込みを語りました。
最後に、東北支部としては、5月に発生した青森でのコンプライアンス違反への信頼回復が急務であること、仙台空港など地方発の国際線復便に一層注力していくこと、インバウンド・アウトバウンドの双方向交流拡大を目指した「愛台湾キャンペーン」の推進、鉄道や旅客船事業者との商談会を実施したことなどを挙げ、出席者に対しに改めて各支部活動への協力を呼び掛けました。

続いて、国土交通省東北運輸局、川﨑博様より「東北における観光の動向」と題し、日本全体の観光の現状、東北地方における観光の現状と取組みについて講演が行われました。
まず、観光全体の現状について、旺盛に回復しているインバウンドの概況について触れ、人数/消費額ともコロナ以前を超えていると説明。そして、日本を訪れるトレンドは伝統文化や多彩な食等にとどまらず、体験型の旅(コト消費)やその土地にしかない特別な対象への興味(ホンモノの体験)にシフトしており、そのためには地方の魅力発信と誘客による地方での消費拡大・リピーター化を促進する必要があると述べました。
続いて東北の観光の現状と取組みについて、東日本大震災以降、被災地を含む東北6県の観光復興のため、観光地域づくりの支援や各種プロモーションを実施した結果、宿泊者数は2023年は2019年比で85%まで回復しており、今後については、閣議決定された「観光立国推進基本計画」をもとにサステナブルな観光地域づくり戦略として「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」をキーワードに、住んでよし・訪れてよし(旅行者・地域住民の双方の好循環)の実現を目指すとしました。
そして、取組みの具体的施策については、コンテンツの充実化やその情報発信の強化を図っている一例として以下の事例等を紹介しました。

「持続可能な観光」
    ・モデル地域を設定しオーバーツーリズムの未然防止
     (例:蔵王スキー場ロープウェイ混雑解消として、価格変動制の実施や予約システムの開発など)
    ・ 人材確保対策
     (例:国・自治体・協会が連携し、就職説明会や人材不足対策セミナー実施など)

「消費額拡大」「地方誘客促進」
    ・ 高付加価値旅行
     (例:みちのく潮風トレイル=福島~青森間、東北の様々な景色に触れ、さらに震災復興について現地の人から学ぶ体験もある)
    ・ その土地だけの特別な体験
     (例:まぐろ一本釣り大間漁師体験=世界的に有名な大間マグロを漁師と一緒に釣る体験、地産地消で地域の生産者へも還元)

最後に、東北の観光業・旅行業の発展のために、JATAも含め各県・地域一体となったプロモーションの強化の継続を依頼し締めくくりました。              


講演 (「東北における観光の動向」) の様子

定例会の後の懇親会では、和やかな雰囲気の中、東北運輸局のご来賓及び各県会員会社の出席者との交流や情報交換などが行われ、お互いに理解を深める貴重な機会となりました。

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