会報誌「じゃたこみ」 【JATA活動】JATA旅行・観光業界 就職セミナーを開催

更新日:2023年12月22日


 

 




「セミナー会場へ向かう学生」

3年ぶりの開催
旅行・観光業界に関心をもつ学生200名が来場


 日本旅行業協会は(株)ジャタと共同で3月16日、浅草にある東京都立産業貿易センター台東館4階展示室にて、「JATA旅行・観光業界 就職セミナー」を3年ぶりに開催しました。旅行・観光業界に関心のある新卒学生(2024年3月卒業予定者)を対象とした業界特化型セミナーには、25の会員企業が出展しました。2020年3月の開催時には530名ほどの学生が集まりましたが、今回の開催にあたっては200名の来場に留まり、旅行・観光業界への就職人気が低迷している現状を改めて認識させられる結果となりました。セミナーは、各社30分単位で6コマ実施し、ひとりの学生につき、最大6社の話を聞ける形式で開催しました。それぞれのブースは企業担当者からの説明に熱心に耳を傾ける学生達の熱気であふれかえりました。

 




「会員企業25社が出展」

コロナ禍を経て
来春の就職を控えた学生の「旅行・観光業界」に対する思い


 参加学生の満足度は高く「旅行業界に絞った就職セミナーは少なく、このように集約されていると効率的に様々な企業と接触できるので助かる」、「大手就職セミナーでは出会うことが出来ない企業と会えた」などの声が寄せられました。大手旅行会社だけでなく、専門特化した様々な業態の旅行会社を紹介することを目的とした「JATA旅行・観光業界 就職セミナー」について、業界を目指す学生からの確かなニーズがあることが明確になりました。一方、出展企業からは「来場した学生が少なかった」、「認知度(出展企業の)が低いため、ブースを訪れる学生が限られた」など、セミナー運営についての課題点を示されています。また、企業担当者に学生の様子を尋ねると「熱心に説明を聞き、質問する学生が多く業界への関心の高さがうかがえた」、「なんとなく来てみた様子で、過去と比べると熱量を感じられない」、「他の業界も見るべきかといった質問を受けた」など旅行・観光業界に就職することについて両極端の声があがりました。セミナーに足を運んだ学生の中には、旅行・観光業界に興味をもつものの、実際にで働くことについては不安を抱く人もいたようです。



「企業担当者の説明に熱心に耳を傾ける学生」

学生の意識は改善する

 今期の開催について、(株)ジャタ 仲 社長は次のように振り返ります。
 会員企業からは「採用活動を開始したものの、説明会へのエントリー数が大幅に減ってしまった」との情報も入手しています。これまでは、ただ旅行が好きということで、旅行・観光業界を目指す人も多くいたことかと思いますが、初任給やベースアップなど待遇改善をめぐる他業界の情報がニュースでとり沙汰されている昨今、他の業界へ就職していく人もいると思います。ただ、このような状況は一年後には大幅に改善しているのではと考えます。今回のセミナーに25社が出展されたように、この数年、門戸を閉ざしていた多くの企業が採用活動を再開しています。マーケットを見渡してみても、既に訪日旅行はかつての勢いを取り戻しつつあり、また、本年度中には海外旅行の復活も期待できます。旅行・観光業界を取り巻く環境が好転している状況が目に見えてくれば、必然的に学生の意識も改善すると思います。



「学生約200名が来場」

業界一体となり業界人材を育成しよう

 中小旅行会社を中心とした多くの会員企業の採用活動においては「マンパワーが不足している」、「業界に対し就職意欲が高い学生と接点が持てない」、「自社の事業を効果的に学生へ伝える場がない」といった課題があがっています。これらの課題を解決できるようセミナー内容の見直しを図っていくとともに、一人でも多くの学生にアプローチいただけるよう改善に努めてまいります。来年以降もリアル開催を継続していきますので、業界の将来を担う人材育成のためにも今後も、ぜひ多くの会員企業に出展いただければと思います。