会報誌「じゃたこみ」 【国内】 2023年度 第2回ツアー登山セミナーを開催

更新日:2023年12月22日


 JATA国内旅行推進部は、2023年度の第2回ツアー登山セミナーを11月8日(水)にANTAと共催で開催しました。今回のセミナーでは、松本協立病院の医師である市川智英氏(国際山岳医)を講師に迎え、「登山と心臓病 ~疾病を抱えた登山者とどう向きあうか~」をテーマに掲げ実施しました。このセミナーにはJATAとANTAの会員企業から26社と50名が参加しました。

JATAとANTAの会員企業から26社と50名が参加

 セミナー冒頭で、挨拶に登壇した国内旅行推進部の野浪部長は、「今年の夏、ツアー登山にはコロナの制約が緩和され、多くのお客様が参加しました。一方で、事前に健康問題を申告しなかったにもかかわらず、ツアー当日に心臓病を発病したといった話など、過去にはあまりなかった重大なイレギュラーが顕在化している」と言及、新たな課題が次々に浮かび上がってくる中で、これまでの経験にとらわれず、基本的な事項から新しい情報までキャッチアップし、ツアー登山の企画に活かして欲しいと訴えました。

国内旅行推進部 野浪部長

 セミナーでは、山岳遭難・突然死の現状や多くの登山者が病気のリスクを抱えている現状、心筋梗塞の発症事例、山岳突然死を避けるための自身の健康チェックなど説明され、特に救命率を高めるためのAEDの有効性について強調されました。質疑応答の時間には、心筋梗塞と類似した症状について、糖尿病のリスクについて、術後の参加条件など、会員各社がツアー登山を取り扱ううえで実際に経験した悩みについて共有され、これらの質問に対する講師からのアドバイスに参加者は真剣に耳を傾けていました。

松本協立病院 医師                  市川智英氏(国際山岳医)

 国内旅行推進部は、安全で安心なツアー登山の実施に向け、引き続き同様のセミナーを開催してまいります。次回は2024年6月頃の開催を予定しています。

日本山岳ガイド協会 安全登山ハンドブック・セーフティーカードを配布