会報誌「じゃたこみ」 【国際センター】
太平洋アジア観光協会(PATA)日本支部
「産業遺産情報センター 現地視察会」を実施

更新日:2025年02月17日


2025年2月7日(金)、太平洋アジア観光協会(PATA*)日本支部は、PATA日本支部会員である「産業遺産情報センター」の現地視察会を実施しました(PATA日本支部事務局はJATAにて現在運営をしています)。
「産業遺産情報センター」は、2015年にユネスコの世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」に関する資料の展示や調査研究を行い、日本全土8県11市に所在する23の資産の世界遺産としての価値や歴史的意義を伝える機関です。
今回は、施設内の展示物の説明・視察および実際過去にその地に住まわれていた方からのお話を伺い、PATA会員会社より3社/3名、PATAより3名、JATA本部より3名、 計9名が参加しました。
(PATA参加会員会社3社 : 水明館、プリンスホテル、ロイヤルホテル ※五十音順)

「産業遺産情報センター」の遠藤事務局長、西川総括責任者にお出向かえをいただき施設の概要を伺った後、センター内へ。展示スペースは「導入展示」「メイン展示」「資料室」の3つのゾーンに分かれており、順を追って見学しました。

ゾーン1「導入展示」、ゾーン2「メイン展示」では、世界遺産ストーリーを語るガイドが「明治日本の産業革命遺産」の概要、世界遺産に登録されるまでの経緯、幕末から明治にかけて産業国家へ成長していくまでの道のりなどを詳しく説明。
施設内は、大型ディスプレーを使ったパノラマ映像、パネルによる視覚的な解説、タブレット端末を使用しての情報検索、など歴史的資料を五感で体感できる設備も充実しており、ガイドによる臨場感あふれる説明をより多角的に理解することができました。

ゾーン3「資料室」では、戦前・戦中・戦後の事業現場での労働やくらしの実態に関わる文書・記録・新聞記事・証言など多様な文献を見ることができ、さらに、実際に端島で生活をしていた語り部が当時の様子をお話してくださいました。
端島は軍艦島とも言われ、明治時代から昭和時代(1890~1974)にかけ炭鉱により栄えた人工島として、日本初の鉄筋コンクリート造の高層集合住宅の建造や最盛期の1960年代には世界で最も人口過密な炭鉱コミュニティであったことなどでも有名です。ジオラマを使って当時の日常生活(学校や病院の場所、こどもの遊びや島の行事など)を伺うことでよりリアルに感じられ、参加者は興味深く聞き入っていました。

        
       (ゾーン1・2で世界遺産ストーリーを語るガイド:左、と、ゾーン3で端島でかつて生活していた語り部:右、がチームを組んで施設内をご案内する様子)

参加者からは、「資料が大変充実し、分かりやすく、教育旅行の事前学習などに活用できるのではないか」「日本だけでなく海外との関わりも深い世界遺産なので、インバウンドの旅行客にも是非訪れて欲しい施設」といった声が聞かれました。

PATAでは、日本のみならず太平洋アジア地域全体の観光振興のため、会員間の交流・情報発信など今後も様々な取り組みを通じて、インバウンド/アウトバウンドの双方に有益となる活動を続けてまいります。

       施設外観

「産業遺産情報センター」について

【施設概要】
  Webサイトは、こちら
  場所 : 東京都新宿区若松町19-1 総務省第二庁舎別館(都営大江戸線若松河田駅から徒歩約4分)
  開館時間 : 10:00-17:00(最終入館時間:16:30)
  休館日 : 原則として土曜日(第2・4土曜日は開館)、日曜日、国民の祝日・休日および12/29-1/3
  入館料 : 無料

【その他ご注意】
  ※来館は事前予約制(オンライン予約システムから予約可能)
  ※「ガイド付き」「ガイドなし」の選択が可能(日本語・英語・韓国語の音声ガイドの貸出も行っています)
  ※バリアフリー対応あり(車いす用スロープ、貸出用車いす、多目的トイレ、介助犬の同伴入場など)
                                                (2025年2月現在の情報です)

*太平洋アジア観光協会(PATA)とは
太平洋アジア地域への観光客誘致及び域内交流の活性化を目的とした国際広域観光団体です。
政府会員、航空会社・クルーズ会社をはじめ、旅行会社、ホテルなど世界中に22,000のメンバーが会員として参加。
世界各国に43の支部を擁し、PATA日本支部事務局は現在JATAにて運営をしています。