コロナ禍以前の旅行トレンド 2019年9月期(第2回) 旅行市場動向調査~海外

更新日:2022年03月02日


旅行動向調査

2019年9月期(第2回) 旅行市場動向調査~海外

2019年9月12日

DI値は3ヵ月前(4~6月)から-13ポイント低いマイナス15。
3ヵ月後(10~12月)は+4ポイント上昇しマイナス11。
6ヵ月後(1~3月)は現況より-2ポイント低いマイナス17。

現況はGWの反動と日韓関係の悪化で韓国への渡航を控える流れにより、大幅にDI値が低下し、1年半ぶりの低水準となった。国際情勢の先行き不安や消費増税を控え、3ヵ月後、6ヵ月後の見通しでも改善はせず、ほぼ横ばいの見込み。

海外旅行全般/客数の業況について

GWの反動や日韓関係の悪化などにより、現況(7~9月)の業況・客数ともに低下した。
「第1種」が3ヵ月前のプラス圏から悪化し、すべての種別でマイナス圏となった。

総合

海外旅行全般の業況は、3ヵ月前(4~6月)に比べて-13ポイント低下しマイナス15。3ヵ月後(10~12月)の見通しもマイナス11と低迷する見込み。客数についても3ヵ月前(4~6月)のプラス圏から悪化してマイナス11となった。3ヵ月後(10~12月)もマイナス15と低迷する見込み。
種別の業況では「第1種」(-21ポイント)は悪化、「第2種」(+2ポイント)と「第3種」(+15ポイント)は上昇した。

現況(7~9月) は方面では「韓国」が不調。GWで好調だった3ヵ月前からの反動あり。

海外旅行全般は3ヵ月前(4~6月)より-13ポイント低下しマイナス15。
客数も-25ポイント低下し、マイナス11。

  • GW好調だった反動なのか、夏休みが盛り上がらず終わった。その流れが続いてか、秋もまだ予約が増えていない。(第1種)
  • ヨーロッパを中心に、ビジネスクラス利用のファミリーが堅調に伸びている。(第1種)
  • 8月までは韓国・香港共にキャンセルはなかったが、8月以降の新予約が外的要因で非常に悪い。(第1種)
  • パッケージツアー、団体旅行の減少が加速し、エアオンなどパーツのみの手配が増えてきている。(第1種)

3ヵ月後(10~12月)は国際情勢の不安や、消費税増税による消費低下の懸念から、引き続き低調に推移する見込み。

海外旅行全般の3ヵ月後(10~12月)は+4ポイント上昇しマイナス11。6ヵ月後(1~3月)は-6ポイント低下しマイナス17。
客数の3ヵ月後(10~12月)は-4ポイント低下しマイナス15。6ヵ月後(1~3月)も変わらずマイナス15。

  • 10~12月は年末年始9連休でヨーロッパが好調なため、全体の数値を引っ張っている。 (第1種)
  • ハワイはファミリー、グループ共にビジネスクラス利用で年末年始まで堅調に推移している。(第1種)
  • 日韓線の飛行機が減便になる計画であり、韓国への旅行者は今後も減ると予想される。(第1種)
  • 個人旅行はインターネット予約が主流になっていて旅行会社への依頼はこれからも減り続ける。(第1種)

※「第2種」「第3種」は、2019年3月調査から分計したため、以前のデータなし

海外旅行の需要動向(方面別)

  • 現況(7~9月)は「アジア」がプラス圏を維持したが3ヵ月前(4~6月)に比べて-18ポイント、「韓国」は-32ポイントの大きな低下となった。方面別トップはハワイ(プラス2)。また、「ヨーロッパ」は3期連続の上昇となった。
  • 3ヵ月後(10~12月)は、ほとんどの方面で横ばいまたは低下傾向。「アジア」は2016年9月期以来のマイナス圏へと低下する見込みだが、「韓国」は+3ポイントと若干の改善が見込まれている。

(単位:DI)

  1年前
(7~9月)
9ヵ月前
(10~12月)
6ヵ月前
(1~3月)
3ヵ月前
(4~6月)
現況
(7~9月)
3ヵ月後
(10~12月)
6ヵ月後
(1~3月)
ハワイ 2 -7 0 0 2 -2 -1
アメリカ・カナダ -20 -30 -15 -21 -25 -24 -24
ヨーロッパ -3 -10 -8 -6 0 -5 -14
オセアニア -30 -31 -28 -28 -16 -22 -23
ミクロネシア -41 -28 -17 -33 -26 -27 -28
アジア 17 14 14 19 1 -6 -7
中国 -36 -31 -45 -43 -37 -38 -38
韓国 -25 -27 -35 -38 -70 -67 -64

海外旅行の需要動向(団体旅行)

  • 現況は3ヵ月前(4~6月)と比べ、「インセンティブ」「業務渡航」が低下した一方、「教育旅行」は+14ポイント上昇し、マイナス10となった。
  • 3ヵ月後(10~12月)は、現況に引き続き「業務渡航」の低下が見込まれる(-3ポイント)。また、「インセンティブ」は+7ポイント上昇、「教育旅行」は-6ポイント低下の見込み。

  1年前
(7~9月)
9ヵ月前
(10~12月)
6ヵ月前
(1~3月)
3ヵ月前
(4~6月)
現況
(7~9月)
3ヵ月後
(10~12月)
6ヵ月後
(1~3月)
インセンティブ -16 -18 -25 -14 -18 -11 -20
業務渡航 -3 3 -13 -10 -12 -15 -15
教育旅行 -14 -14 -26 -24 -10 -16 -12

海外旅行の需要動向(個人旅行)

  • 現況は3ヵ月前(4~6月)と比べて「学生」は横ばいであった一方、「ファミリー」(-15ポイント)、「OL」(-13ポイント)、「シニア」(-13ポイント)は、大きく低下した。「ファミリー」、「OL」、「シニア」では前年同期も下回る。
  • 3ヵ月後(10~12月)は、現況(7~9月)に比べて大きな変動は見込まれておらず、前年同期にプラス圏の水準にあった「シニア」もマイナス圏のまま低迷する見込み。

  1年前
(7~9月)
9ヵ月前
(10~12月)
6ヵ月前
(1~3月)
3ヵ月前
(4~6月)
現況
(7~9月)
3ヵ月後
(10~12月)
6ヵ月後
(1~3月)
ハネムーン -32 -32 -30 -27 -31 -27 -31
ファミリー -7 -19 -12 -5 -20 -23 -23
OL -23 -28 -21 -19 -32 -33 -31
学生 -29 -40 -22 -38 -38 -37 -32
シニア(60歳以上) -2 3 4 0 -13 -10 -12

旅行市場動向調査について

一般社団法人 日本旅行業協会(JATA)では、JATA会員および中連協会員各社へ調査モニターへの登録を依頼し、会員1412社中、登録のあった650社を対象として、四半期ごとに「旅行市場動向調査」を実施し、その結果を発表しております。

「旅行市場動向調査」は、現況・先行き(3ヵ月後・6ヵ月後)についてのアンケートを実施し、旅行市場の動向を把握することを目的としております。

調査では各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、回答数から「取り扱っていない」(無回答を含む)の回答を除いたものを母数として各回答のシェアを算出し、「良い」を選んだ割合(%)から「悪い」を選んだ割合(%)を引いて、「DI」(=DiffusionIndex ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数に加工して発表しています。

DI値の範囲は、全て良い(100)から、全て悪い(-100)の間の評価となります。

調査概要

調査地域
:全国
調査対象
:JATA会員各社、中連協会員各社の経営者など
調査方法
:インターネット調査
調査期間
:2019年8月1日(木)~8月23日(金)
設定数
:650社
回収数
:301社
回収率
:46.3%

種別について

「旅行市場動向調査」では、各業況を種別に分析しています。
各種別の取り扱い業務範囲と今回調査での回答件数は下記の表の通りとなっています。

種別 取り扱い業務範囲 社数 比率
第一種旅行業 海外・国内の募集型・受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配、及び他社実施の募集型企画旅行の代売を行うことができる。 192社 63.8%
第二種旅行業 国内の募集型企画旅行の企画・実施、海外・国内の受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配、及び他社の募集型企画旅行の代売を行うことができる。 49社 16.3%
第三種旅行業 海外・国内の受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配、及び他社の募集型企画旅行の代売を行うことができる。また、実施する区域を限定し、旅行代金の支払い時期を制限したうえで国内の募集型企画旅行を行うことができる。 60社 19.9%

この資料に関するお問い合わせ

JATA広報室
  • TEL (03)3592-1244