コロナ禍以前の旅行トレンド 2019年9月期(第2回) 旅行市場動向調査~訪日

更新日:2022年03月02日


旅行動向調査

2019年9月期(第2回) 旅行市場動向調査~訪日

2019年9月12日

DI値は3ヵ月前(4~6月)から-3ポイント低いプラス2。
3ヵ月後(10~12月)は現状の水準を維持しプラス2。
6ヵ月後(1~3月)は現況よりも-2ポイント低い0。

現況は低下傾向にあるが、3ヵ月前(4~6月)の見込みよりは高い水準となり、プラス圏。国際情勢の影響を受けてか、韓国からの訪日旅行者が減っている点が目立つ。

訪日旅行全般の業況について

業況・客数ともに低下傾向にあるが、プラス圏を維持している。種別では、「第1種」が好調。
一方、「第2種」はマイナス圏へ悪化した。
また、国・地域別では「韓国」が大きく低下し、見込みも低迷している。

総合

訪日旅行全般の業況は3ヵ月前(4~6月)から-3ポイント低下したが、プラス圏を維持した。客数については-1ポイント低下し、業況と少し差が出ている。種別の業況では、「第1種」が+1ポイント上昇し好調。「第2種」が-18ポイントと大きく低下、「第3種」は-5ポイント低下し不調。

現況(7~9月)は多くの項目で低下傾向。

訪日旅行全般は3ヵ月前(4~6月)より-3ポイント低下し、プラス2。

客数は-1ポイント低下し、プラス5。

  • 首都圏~関西のゴールデンルートは堅調。(第1種)
  • ラグビーワールドカップの影響でラグビー競合国からの訪日が増えている。試合の合間にオプショナルツアーに参加するニーズがある。(第1種)
  • 韓国は現況の情勢により激減、反面中国からの訪日数が増加している。(第3種)
  • FITの増加、手配の部分利用増加がみられる。(第1種)

3ヵ月後(10~12月)は現在の水準を保ち、客数については低下する見込み。

訪日旅行全般の3ヵ月後(10~12月)は現在の水準を維持し、プラス2。6ヵ月後(1~3月)は-2ポイント低下し0。

客数の3ヵ月後(10~12月)は-4ポイント低下しプラス1。6ヵ月後(1~3月)は-3ポイント低下しマイナス2。

  • 特に韓国からのお客様が現在の政治動向を反映して、直行便の減などで落ち込むことが予想されており、今後も苦戦する状況が続くと考えている。 (第1種)
  • 以前のように買い物がメインではなく、多様な施設見学参加や健康診断や治療目的などただの観光ではない要望も増えている。 (第2種)
  • お客がホテルや、食事、交通手段の手配はすべてインターネットで予約するので、旅行会社の役割が少しずつなくなっていく。 (第3種)
  • 一般的観光より自由行動を多く求めるようになってきた。(第3種)

※「第2種」「第3種」は、2019年3月調査から分計したため、以前のデータなし

訪日旅行の需要動向(方面別)

  • 現況は3ヵ月前(4~6月)に比べて「関東」が+7ポイント上昇した。
    「東京」「関西」「ゴールデンルート」は若干低下しているものの、プラス圏を保ち高水準。
    一方、「九州」が-11ポイント、「東海・北陸」「沖縄」が-9ポイント低下し、目立つ動きが出ている。
  • 3ヵ月後(10~12月)は「東北」(+15ポイント)、「中四国」(+10ポイント)が大きく上昇、その他の方面も上昇または横ばいの見込み。

(単位:DI)

  1年前
(7~9月)
9ヵ月前
(10~12月)
6ヵ月前
(1~3月)
3ヵ月前
(4~6月)
現況
(7~9月)
3ヵ月後
(10~12月)
6ヵ月後
(1~3月)
北海道 13 -20 -4 -16 -17 -16 -15
東北 -32 -33 -34 -35 -32 -17 -36
関東 -1 6 9 -3
東京(TDRを含む) 14 13 15 4
東海・北陸 -4 -13 -7 -13
関西 13 6 8 -3
中四国 -34 -30 -38 -24 -24 -14 -24
九州 -17 -8 -23 -11 -22 -13 -15
沖縄 -5 -6 -17 -15 -24 -19 -22
ゴールデンルート(関東⇔関西) 8 8 6 9 7 6 -10

※「関東」「東京(TDR含む)」「東海・北陸」「関西」は、2019年6月調査で聴取方法を変更したため、以前のデータなし

訪日旅行の需要動向(顧客層別)

  • 現況は3ヵ月前(4~6月)に比べ「MICE」(+15ポイント)が大きく上昇している。「FIT」は-9ポイント低下したが、プラス圏を保ち高水準。
  • 3ヵ月後(10~12月)の動きも現況と同じく、「団体」「MICE」が上昇、「FIT」が低下の見込み。

  1年前
(7~9月)
9ヵ月前
(10~12月)
6ヵ月前
(1~3月)
3ヵ月前
(4~6月)
現況
(7~9月)
3ヵ月後
(10~12月)
6ヵ月後
(1~3月)
FIT 13 18 4 16 7 1 2
団体 -7 -9 -13 -11 -6 -2 -12
MICE -17 -17 -28 -28 -13 -6 -20

訪日旅行の需要動向(国・地域別)

  • 現況は3ヵ月前(4~6月)に比べ、「韓国」(-35ポイント)が大きく低下。その他の地域も、横ばいか低下傾向が多く見られる。
    その中で「中国」「台湾」はプラス圏を保っている。
  • 3ヵ月後(10~12月)の動きも現況と同じく、横ばいか低下傾向が多いが、「南米」(+4ポイント)「豪州」(+5ポイント)は上昇の見込み。

  1年前
(7~9月)
9ヵ月前
(10~12月)
6ヵ月前
(1~3月)
3ヵ月前
(4~6月)
現況
(7~9月)
3ヵ月後
(10~12月)
6ヵ月後
(1~3月)
中国 9 5 6 16 7 3 -5
韓国 -12 -15 -19 -24 -59 -61 -56
台湾 8 14 9 3 2 2 0
香港 -9 0 -19 -7 -10 -15 -15
東南アジア 9 1 -4 8 0 2 -2
欧州 -2 -6 -15 0 -5 -5 -16
北米 -10 -15 -18 -9 -8 -12 -16
南米 -30 -37 -47 -26 -24 -20 -21
豪州 -19 -33 -26 -17 -11 -6 -8

旅行市場動向調査について

一般社団法人 日本旅行業協会(JATA)では、JATA会員および中連協会員各社へ調査モニターへの登録を依頼し、会員1412社中、登録のあった650社を対象として、四半期ごとに「旅行市場動向調査」を実施し、その結果を発表しております。

「旅行市場動向調査」は、現況・先行き(3ヵ月後・6ヵ月後)についてのアンケートを実施し、旅行市場の動向を把握することを目的としております。

調査では各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、回答数から「取り扱っていない」(無回答を含む)の回答を除いたものを母数として各回答のシェアを算出し、「良い」を選んだ割合(%)から「悪い」を選んだ割合(%)を引いて、「DI」(=DiffusionIndex ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数に加工して発表しています。

DI値の範囲は、全て良い(100)から、全て悪い(-100)の間の評価となります。

調査概要

調査地域
:全国
調査対象
:JATA会員各社、中連協会員各社の経営者など
調査方法
:インターネット調査
調査期間
:2019年8月1日(木)~8月23日(金)
設定数
:650社
回収数
:301社
回収率
:46.3%

種別について

「旅行市場動向調査」では、各業況を種別に分析しています。
各種別の取り扱い業務範囲と今回調査での回答件数は下記の表の通りとなっています。

種別 取り扱い業務範囲 社数 比率
第一種旅行業 海外・国内の募集型・受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配、及び他社実施の募集型企画旅行の代売を行うことができる。 192社 63.8%
第二種旅行業 国内の募集型企画旅行の企画・実施、海外・国内の受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配、及び他社の募集型企画旅行の代売を行うことができる。 49社 16.3%
第三種旅行業 海外・国内の受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行 の手配、及び他社の募集型企画旅行の代売を行うことができる。また、実施する区域を限定し、旅行代金の支払い時期を制限したうえで国内の募集型企画旅行を行うことができる。 60社 19.9%

この資料に関するお問い合わせ

JATA広報室
  • TEL (03)3592-1244