コロナ禍以前の旅行トレンド 2019年6月期(第1回) 旅行市場動向調査~訪日

更新日:2022年03月02日


旅行動向調査

2019年6月期(第1回) 旅行市場動向調査~訪日

2019年6月27日

DI値は3ヵ月前(1~3月)から+9ポイント高いプラス5。3ヵ月後(7~9月)は-7ポイント低下しマイナス2。
6ヵ月後(10~12月)は現況よりも-8ポイント低いマイナス3。

現況は中国や東南アジアからの旅行者の増加でプラス圏に回復も、3ヵ月後・6ヵ月後はマイナス圏に下がる見込み。FITは好調だが、団体・MICEの低迷の影響もあり、業況は緩やかに下降が続く。

訪日旅行全般の業況について

ゆるやかな低下傾向が続いていたが、現況(4~6月)の業況は1年半ぶりに上昇し、客数ともにプラス圏となった。
全ての種別で上昇するも、「第3種」はマイナス圏から抜け出せなかった。

総合

訪日旅行全般の業況は3ヵ月前(1~3月)から+9ポイント上昇しプラス圏に回復。客数についてもプラス圏となり、業況とほぼ差がない結果となった。種別の業況では全ての業種で上昇傾向にあり、特に第1種が+10ポイント上昇し、前回調査から大きく回復している。

現況(4~6月)は多くの項目で上昇傾向。

訪日旅行全般は3ヵ月前(1~3月)より+9ポイント上昇しプラス5。客数はプラス6。

  • 東京・関西は引き続き好調、ホテル仕入れなども以前よりも取りやすくなっている。(第1種)
  • 特に欧米からはFIT化が顕著に進んでいる。(第1種)
  • ベトナムからの訪日団体客が増加。(第1種)
  • 中国からの訪日客は増えているが、団体客は減ってきている。(第3種)

3ヵ月後(7~9月)はマイナス圏まで低下する見通しだが、客数については現在の水準を保つ見込み。

訪日旅行全般の3ヵ月後(7~9月)は、-7ポイント低下しマイナス2。6ヵ月後(10~12月)は-1ポイント低下しマイナス3。客数の3ヵ月後(7~9月)は横ばい。6ヵ月後(10~12月)は+2ポイント上昇しプラス8。

  • 以前のように買い物がメインではなく、FITで各々多様な目的での訪日旅行が増えていると感じる。(第2種)
  • 訪日目的が明確であり、目的を達成できる手配が行えるか否かが厳しく求められる。(第1種)
  • 多くの団体がFITにシフトしていると感じる。(第3種)

※「客数DI」は、今回調査から新しく聴取

※「第2種」「第3種」は、2019年3月調査から分計したため、以前のデータなし

訪日旅行の需要動向(方面別)

  • 現況は3ヵ月前(1~3月)に比べて「中四国」が+14ポイント、「九州」が+12ポイント上昇した。一方、「北海道」については-12ポイント低下し、前年同時期と比較しても大きく低下している。
  • 3ヵ月後(7~9月)は「北海道」(+6ポイント)、「東北」(+5ポイント)などが上昇の見込み。

(単位:DI)

  1年前
(4~6月)
9ヵ月前
(7~9月)
6ヵ月前
(10~12月)
3ヵ月前
(1~3月)
現況
(4~6月)
3ヵ月後
(7~9月)
6ヵ月後
(10~12月)
北海道 5 13 -20 -4 -16 -10 -16
東北 -24 -32 -33 -34 -35 -30 -25
関東 -1 -2 1
東京(TDRを含む) 14 11 5
東海・北陸 -4 -10 -12
関西 13 10 11
中四国 -14 -34 -30 -38 -24 -20 -15
九州 -7 -17 -8 -23 -11 -15 -11
沖縄 -6 -5 -6 -17 -15 -17 -18
ゴールデンルート(関東⇔関西) 6 8 8 6 9 11 3

※「関東」「東京(TDR含む)」「東海・北陸」「関西」は、今回調査で聴取方法を変更したため、以前のデータなし

訪日旅行の需要動向(顧客層別)

  • 現況は3ヵ月前(1~3月)に比べ上昇・横ばいの傾向で、特に「FIT」は+12ポイント上昇し、高水準。前年同時期と比べて、「MICE」(-23ポイント)、「団体」(-12ポイント)は大幅な低下。
  • 3ヵ月後(7~9月)は全ての客層で低下・横ばいの見込みだが、「FIT」はプラス圏を維持する見込み。

(単位:DI)

  1年前
(4~6月)
9ヵ月前
(7~9月)
6ヵ月前
(10~12月)
3ヵ月前
(1~3月)
現況
(4~6月)
3ヵ月後
(7~9月)
6ヵ月後
(10~12月)
FIT 20 13 18 4 16 10 10
団体 1 -7 -9 -13 -11 -18 -16
MICE -5 -17 -17 -28 -28 -28 -30

訪日旅行の需要動向(国・地域別)

  • 現況は3ヵ月前(1~3月)に比べ、「南米」(+21ポイント)、「欧州」(+15ポイント)など、多くの地域で上昇し、前年同時期と比べても上昇している地域が多く見られる。一方、台湾(-6ポイント)、韓国(-5ポイント)が低下した。
  • 3ヵ月後(7~9月)は、「豪州」「南米」以外の地域すべてで低下が見込まれる。

(単位:DI)

  1年前
(4~6月)
9ヵ月前
(7~9月)
6ヵ月前
(10~12月)
3ヵ月前
(1~3月)
現況
(4~6月)
3ヵ月後
(7~9月)
6ヵ月後
(10~12月)
中国 3 9 5 6 16 8 5
韓国 -17 -12 -15 -19 -24 -26 -23
台湾 3 8 14 9 3 -8 -4
香港 -12 -9 0 -19 -7 -16 -13
東南アジア 10 9 1 -4 8 2 8
欧州 -15 -2 -6 -15 0 -5 -5
北米 -21 -10 -15 -18 -9 -15 -13
南米 -44 -30 -37 -47 -26 -26 -26
豪州 -35 -19 -33 -26 -17 -15 -10

旅行市場動向調査について

一般社団法人 日本旅行業協会(JATA)では、JATA会員および中連協会員各社へ調査モニターへの登録を依頼し、会員1416社中、登録のあった660社を対象として、四半期ごとに「旅行市場動向調査」を実施し、その結果を発表しております。

「旅行市場動向調査」は、現況・先行き(3ヵ月後・6ヵ月後)についてのアンケートを実施し、旅行市場の動向を把握することを目的としております。

調査では各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、回答数から「取り扱っていない」(無回答を含む)の回答を除いたものを母数として各回答のシェアを算出し、「良い」を選んだ割合(%)から「悪い」を選んだ割合(%)を引いて、「DI」(=DiffusionIndex ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数に加工して発表しています。DI値の範囲は、全て良い(100)から、全て悪い(-100)の間の評価となります。

調査概要

調査地域
:全国
調査対象
:JATA会員各社、中連協会員各社の経営者など
調査方法
:インターネット調査
調査期間
:2019年5月20日(月)~6月7日(金)
設定数
:660社
回収数
:312社
回収率
:47.3%

種別について

「旅行市場動向調査」では、各業況を種別に分析しています。
各種別の取り扱い業務範囲と今回調査での回答件数は下記の表の通りとなっています。

種別 取り扱い業務範囲 社数 比率
第一種旅行業 海外・国内の募集型・受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配、及び他社実施の募集型企画旅行の代売を行うことができる。 194社 62.2%
第二種旅行業 国内の募集型企画旅行の企画・実施、海外・国内の受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配、及び他社の募集型企画旅行の代売を行うことができる。 49社 15.7%
第三種旅行業 海外・国内の受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配、及び他社の募集型企画旅行の代売を行うことができる。また、実施する区域を限定し、旅行代金の支払い時期を制限したうえで国内の募集型企画旅行を行うことができる。 69社 22.1%

この資料に関するお問い合わせ

JATA広報室
  • TEL (03)3592-1244