コロナ禍以前の旅行トレンド 2018年12月期(第3回) 旅行市場動向調査~海外

更新日:2022年03月02日


旅行動向調査

2018年12月期(第3回) 旅行市場動向調査~海外

2018年12月13日

DI値は3ヵ月前(7~9月)から変わらずマイナス3。3ヵ月後(1~3月)は-8ポイント低下しマイナス11。
6ヵ月後(4~6月)は現況よりも-4ポイント低いマイナス7。

海外旅行全般の業況について

現況は夏休みの終わりを受け、遠方の地域や多くの顧客層で低下したものの、
「シニア」と「商用・視察」の好調さにより、前回を維持し3ヵ月前の見込み値を大きく上回った。

総合

3ヵ月前には業況の大幅な低下が見込まれていたが、「シニア(60歳以上)」(+5ポイント)、「商用・視察」(+6ポイント)がプラス圏に浮上したこともあり、DIは3ヵ月前を維持した。
地域別では遠方の欧州やハワイは-10ポイント程度低下するものの、「ミクロネシア」が+13ポイント、「中国」が+5ポイントと上昇した。

現況(10~12月) 「シニア」、「商用・視察」の上昇で、DI値は3ヵ月前を維持。

海外旅行全般は3ヵ月前(7~9月)から変わらずマイナス3

  • 「法人企業海外視察、褒賞旅行が増えつつある。」(リテーラー2)
  • 「中国が伸びている。両国関係の改善に向けた報道が影響しているかもしれない。」(総合旅行会社)
  • 「相変わらず台湾を含む東アジアに人気が強い、それに比べロングホールは伸びは少ない。」(海外旅行ホールセラー)

3ヵ月後(1~3月)は大幅に低下の見通し、6ヵ月後は緩やかに回復が見込まれる

3ヵ月後(1~3月)は-8ポイント下落しマイナス11。6ヵ月後(4~6月)は-4ポイント下落しマイナス7。

  • 「11月までは業務出張は好調、12月~2月は減少傾向にある(インハウス)」
  • 「ハワイは不調、今後に期待。韓国はまずまずであったが今後に不安。」(総合旅行会社)
  • 「来年のゴールデンウィーク10連休を見越して、遠距離の問い合わせが増えている。」(リテーラー1)

(単位:DI)

  2年前
(10~12月)
1年半前
(4~6月)
1年3ヵ月前
(7~9月)
1年前
(10~12月)
9ヵ月前
(1~3月)
6ヵ月前
(4~6月)
3ヵ月前
(7~9月)
現況
(10~12月)
3ヵ月後
(1~3月)
6ヵ月後
(4~6月)
海外旅行全般 -32 -20 -16 -16 -16 -8 -3 -3 -11 -7
※-10 ※-15

※2018年9月期調査見通し数値

  1年半前
(4~6月)
1年3ヵ月前
(7~9月)
1年前
(10~12月)
9ヵ月前
(1~3月)
6ヵ月前
(4~6月)
3ヵ月前
(7~9月)
現況
(10~12月)
3ヵ月後
(1~3月)
6ヵ月後
(4~6月)
総合旅行会社 11 10 15 9 -4 11 34 21 21
海外旅行ホールセラー -35 -21 -44 -25 -32 17 7 -14 -7
海外旅行系旅行会社 -9 -14 -17 -35 -6 8 -19 0 -6
リテーラー1 9 3 21 4 43 25 25 25 30
リテーラー2 -34 -26 -39 -24 -15 -25 -16 -23 -23
インハウス -15 -12 2 -8 0 14 7 -17 -7
ネット系旅行会社 -16 -100 25 -40 -40 12 -50 -25 25

海外旅行の需要動向(方面別)

夏休みの終わりを受け、欧州など遠方は大幅減、近場の中国やミクロネシアは上昇。
3ヵ月後は全体的に低迷。ハワイがわずかに回復するもマイナス圏に留まる見込み。

  • 3ヵ月前(7~9月)に比べ「ミクロネシア」は+13ポイントと好調。「中国」も+5ポイントと堅調な動きとなった。大きく低下したのは「アメリカ・カナダ」(-10ポイント)、次いで「ハワイ」(-9ポイント)、「ヨーロッパ」(-7ポイント)であった。
  • 3ヵ月後(1~3月)には「ハワイ」(+3ポイント)、「アメリカ・カナダ」(+1ポイント)で若干の回復が見込まれるものの、マイナス圏に留まる見込み。その他の地域については全て低下の見通しとなった。

(単位:DI)

  1年前
(10~12月)
9ヵ月前
(1~3月)
6ヵ月前
(4~6月)
3ヵ月前
(7~9月)
現況
(10~12月)
3ヵ月後
(1~3月)
6ヵ月後
(4~6月)
ハワイ -1 6 2 2 -7 -4 -9
アメリカ・カナダ -25 -27 -19 -20 -30 -29 -23
ヨーロッパ -29 -17 -5 -3 -10 -14 -9
オセアニア -28 -22 -33 -30 -31 -33 -32
ミクロネシア -58 -45 -46 -41 -28 -32 -32
アジア 6 9 9 17 14 9 7
中国 -50 -47 -41 -36 -31 -39 -32
韓国 -68 -47 -36 -25 -27 -37 -36

海外旅行の需要動向(顧客層別)

夏休みの終わりを受け、「ファミリー」など多くの顧客層で大幅減だが、「シニア」と「商用・視察」が好調。3ヵ月後は多くの顧客で低下の見通しであった。

  • 3ヵ月前(7~9月)と比べて「ファミリー」が-12ポイント、「学生(教育旅行を除く)」が-11ポイント、「一人旅」が-9ポイントと、大幅な減少が目立った。一方で「商用・視察」(+6ポイント)、「シニア(60歳以上)」は増加し、DI値がプラス圏に達した。1年前と比較しても好調となった。
  • 3ヵ月後(1~3月)は、多くの顧客層で減少が続く見込みとなった。「商用・視察」(-12ポイント)、「インセンティブ」(-11ポイント)などは大きく低下。上向いたのは「ハネムーン」の+3ポイント、「学生(教育旅行を除く)」は+13ポイントと大きく回復するも前年同時期と比べて低い見通し。

(単位:DI)

  1年前
(10~12月)
9ヵ月前
(1~3月)
6ヵ月前
(4~6月)
3ヵ月前
(7~9月)
現況
(10~12月)
3ヵ月後
(1~3月)
6ヵ月後
(4~6月)
ハネムーン -33 -36 -31 -32 -32 -29 -28
ファミリー -30 -21 -20 -7 -19 -22 -13
OL -31 -29 -33 -23 -28 -31 -23
学生(教育旅行を除く) -45 -21 -49 -29 -40 -27 -39
シニア(60歳以上) -12 -1 -3 -2 3 -5 0
一人旅 -25 -19 -30 -21 -30 -30 -23
インセンティブ(*) -16 -15 -20 -16 -18 -29 -26
商用・視察 -8 -1 0 -3 3 -9 -14
教育旅行 -24 -22 -28 -14 -14 -21 -20

*「インセンティブ」:企業・団体等が従業員への報奨として提供する旅行

旅行市場動向調査について

一般社団法人 日本旅行業協会(JATA)では、JATA会員および中連協会員各社へ調査モニターへの登録を依頼し、会員1413社中、登録のあった647社を対象として、四半期ごとに「旅行市場動向調査」を実施し、その結果を発表しております。

「旅行市場動向調査」は、現況・先行き(3ヵ月後)についてのアンケートを実施し、旅行市場の動向を把握することを目的としております。

調査では各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、回答数から「取り扱っていない」(無回答を含む)の回答を除いたものを母数として各回答のシェアを算出し、「良い」を選んだ割合(%)から「悪い」を選んだ割合(%)を引いて、「DI」(=Diffusion Index ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数に加工して発表しています。DI値の範囲は、全て良い(100)から、全て悪い(-100)の間の評価となります。

調査概要

調査地域
:全国
調査対象
:JATA会員各社、中連協会員各社の経営者など
調査方法
:インターネット調査
調査期間
:2018年11月5日(月)~11月23日(金)
設定数
:647社
回収数
:260社
回収率
:40.2%

業態別区分について

「旅行市場動向調査」では、各業況を業態別に分析しています。
各業態の定義と今回調査での回答件数は下記の表の通りとなっています。

業態名 定義 社数 比率
総合旅行会社 全国にネットワークを持ち、全分野に商品を持つ大規模な旅行会社 25 9.6%
海外旅行 ホールセラー 海外旅行を専業とするホールセラー会社 14 5.4%
海外旅行系旅行会社 旅行業の取扱額が50億円以上で、うち海外旅行の取扱額が80%以上の旅行会社 16 6.2%
国内旅行 ホールセラー 国内旅行を専業とするホールセラー会社 6 2.3%
リテーラー1 上記以外で旅行業の取扱額が30億円以上の旅行会社 23 8.8%
リテーラー2 上記以外で旅行業の取扱額が30億円未満の旅行会社 107 41.2%
インハウス 親会社の業務渡航などを中心に行っている旅行会社 34 13.1%
ネット系旅行会社 上記以外でインターネット販売が中心である会社 7 2.7%
訪日旅行系旅行会社 上記以外で訪日旅行販売が中心である会社 28 10.8%

*ホールセラー …パッケージツアーの企画・販売を専門に行う旅行会社

この資料に関するお問い合わせ

JATA広報室
  • TEL (03)3592-1244