海外旅行関連情報 海外安全対策便り – 外務省邦人テロ対策室 –
2023年2月27日発行 第9号

更新日:2023年02月28日


★★★ 海外安全対策便り-外務省邦人テロ対策室- ☆☆☆
2023年2月27日発行 第9号

本日は、欧州における最近のテロの傾向と安全対策についてご紹介します。 ぜひ最後までご覧くださいね。

■ テロ情勢の今―極右・極左過激主義の台頭
ゴルゴ13からの伝言
今週のチェックリスト

テロ情勢の今―極右・極左過激主義の台頭

突然ですが、皆さんは小学校や中学校で、定期的に防災訓練が行われていたのを覚えていますか?いつか起こり得る災害に備えて日頃から対策を取るというのは、日本では一般的ですよね。実は欧州では、それと同じように、学校でテロ対策訓練が行われているのです。

フランスでは、2015年11月のパリ同時多発テロ以降、フランス全土の学校でテロリスト対処訓練の実施が義務付けられています。小学校、中学校のみならず、幼稚園までもがこのテロ対策訓練を実施しているといいます。ドイツや英国など、欧州の中でテロの脅威が比較的高いと言われる国々でも同様に、一部の学校でテロや襲撃を想定した訓練が取り入れられています。

日本ではあまりなじみのない訓練ですが、それほど欧州ではテロや銃撃事件が身近だと認識されているということですね。

では、欧州の現在のテロ情勢はどうなっているでしょうか。欧州では近年、極右・極左過激勢力によるテロや攻撃の脅威が増加していると言われています。

実際に、2021年の欧州でのテロ発生件数で比較すると、宗教的動機(イスラム過激主義等)による事件は3件なのに対して、政治的動機(極右・極左過激主義等)による事件は40件と、極右・極左過激主義によるテロの割合が、イスラム過激主義のテロを大きく上回っていることが分かります(※1)。また、ドイツでは、2022年の極右過激主義の犯罪件数は1,023件(前年比約11%増)、極左主義の犯罪件数は1,237件(前年比約34%増)(※2)というデータもあります。

昨年12月にドイツで、クーデターを企てた極右グループメンバー25人が一斉逮捕された事件を、皆さんは覚えていますでしょうか。EUの中核をなすドイツで政権転覆を企てるという、前代未聞の計画が世界を震撼させたことは、記憶に新しいと思います。

また、つい最近では、先月、スウェーデンやデンマーク、オランダで、イスラム教の聖典(コーラン)が焼却・破棄される事件が発生しました。これをきっかけに、欧州各国におけるテロ脅威が一段と高まっているとの情報も出ています。
(参考: 「欧州におけるテロへの注意喚起」)

現地の最新の治安情報を常に把握し、適切に対処することは、自身の身を守ることに直結します。でも、これらの情報を自分で集めるのは大変・・・。
大丈夫です! われわれ外務省は、日々世界中の危険情報を収集し、皆さんの安全に役立つ情報を発信しています。

情報発信は、海外安全ホームページや、世界中の在外公館から発信される「たびレジ」から確認することができます。海外出張や旅行の際は、是非、「たびレジ」に登録してみてくださいね(3ヶ月以上の滞在の場合は在留届の提出が必要です)。


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※1  Global Terrorism Index 2022(2022年3月発表)
※2  ドイツ連邦内務省報告書(2021年5月発表)

 

ゴルゴ13からの伝言

安全対策は「たびレジ」登録から・・・詳細はこちら
https://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/pdf/episode2.pdf PDF (漫画版)
https://www.youtube.com/watch?v=FM97LC_lw1w (動画版)

 

今回のチェックリスト

今週のチェックリストは、「自社マニュアル作成のための有事に備えた安全対策チェックリスト」 (外務省作成『ゴルゴ13の海外安全対策マニュアル』p.155) PDF です。有事の際に明暗を分けるのは、初動対応に加え、平時の備えです。そんな平時の備えへのヒントがこのチェックリストに・・・。

 

外務省領事局邦人テロ対策室 ryoutai@mofa.go.jp
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