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更新日:2023年03月13日
若者世代を中心に海外旅行への関心が高まり、モバイル情報を活用した旅行スタイルが急速に台頭する中国。政治的な問題で、いったんは落ち込んだ訪日旅行への関心も完全に回復している?そんな中国旅行市場の実態がビッグデータによって裏付けられた。
中国の検索エンジン最大手の百度(バイドゥ)がこのほど開催したセミナー「ビッグデータから考察する訪日中国人旅行者へのアプローチ方法」で明らかにした。 セミナーでは百度日本法人の国際事業室・高橋大介氏が、月間ユーザーが60億人に達する百度の検索データを基に旅行者の検索行動や志向を分析し解説した。それによると検索行動における傾向としてモバイル化が顕著であり、「デバイス別に年間のデータを見るとパソコンが66%で34%がモバイルだが、モバイル化は日々進行しており、最新の先月のデータでは週末など曜日によってはすでにモバイルがPCを上回る日もある」としている。
検索トレンドをもとに、百度の旅行チームが分析した2014年の旅行トレンドに関しては、「モバイル化」のほかに「旅行流通のオンライン化」、沿岸部の主要都市だけでない「3・4級都市での旅行熱の高まり」「若者世代の旅行への関心の高まり」「海外旅行の人気上昇」を5大トレンドとして紹介。若者世代の旅行の関心の高まりについては、25歳以下の若者が学生旅行や新社会人としての旅行に興味を示しており、旅行に関する検索数は「20代以下が全体の60%を占めている」(高橋氏)と指摘。そして、「海外旅行への関心が高く30%が海外関係だ」と付け加えた。
オンライン旅行ユーザーの分析では、日本を含む東アジアへの関心を示す比率は、全体の10.7%と低く、タイを中心とする南アジアに差を付けられている。訪問希望地は都市が61%と圧倒的に多く、島が36%で続いている。人気都市は香港、プーケット、ソウル、バリ、バンコク、ドバイで日本の都市は上位にない。しかし目的別の人気スポットでは、エンターテインメント部門で1位銀座、2位有馬温泉、3位ベルサイユ宮殿という意外な結果も紹介された。
訪日旅行に絞ったトレンド分析では、キーワードの「日本旅游」が完全一致した検索回数は尖閣諸島問題発生前には1日1550回だったが、問題発生後は38%減の1日950回まで落ち込んでいた。しかし現在は最悪期の2倍以上、問題発生前を上回る1日2150回まで回復し、高橋氏も「われわれも、回復に安堵している」語る。
このセミナーでは、百度が訪日中国人旅行者向けに販売を開始したSIMカードの有用性についても説明された。中国人向けECサイトを運営するベリトランス社の居山正義マネージャーは、ビッグデータ分析からも明らかなようにモバイル化が進み、旅行先でもインターネットの接続環境が必須になりつつある中で、日本における環境性整備が不十分な状況を解消するためSIMカードの活用が最適だと指摘。中国で圧倒的な力を持つ百度の情報展開力によって訪日旅行時に使えるSIMカードの存在の認知度を高めることで、素早い普及が可能になると説明した。
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