コロナ禍以前の旅行トレンド 2018年9月期(第2回) 旅行市場動向調査~海外 |
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更新日:2022年03月02日
旅行動向調査 |
2018年9月期(第2回) 旅行市場動向調査~海外 |
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2018年9月13日
DI値は3ヵ月前(4~6月)より+5ポイント上昇しマイナス3。3ヵ月後(10~12月)は-7ポイント低下しマイナス10。6ヵ月後(1~3月)は現況よりも-12ポイント低いマイナス15。
海外旅行全般の業況について
現況は米朝韓の平和ムードを受け、韓国をはじめとしてアジアが堅調な回復を牽引。
ただし夏休みが終わる3ヵ月後は、ファミリー層の低下などが予想され、低迷する見込み。
総合
海外旅行全般の業況は2年前のマイナス35を底に堅調に回復。前回調査時の回復の勢いを失わず、「韓国」が+11ポイント、「アジア」が+8ポイント、「中国」、「ミクロネシア」が+5ポイントと、順調に上昇している。客層別では夏休みの需要を受け、「学生」が+20ポイント、「教育旅行」が+14ポイント、「ファミリー」が+13ポイント、「OL」が+10ポイントと、2桁台の上昇となった。
現況(7~9月) 韓国・アジア上昇で、DI値はプラス圏目前まで迫る。
海外旅行全般は3ヵ月前(4~6月)より+5ポイント上昇し、マイナス3
- 「夏場の学生向け海外ホームステイ及び地方自治体の視察ツアーが継続で発生している。」(リテーラー2)
- 「昨年は北朝鮮ミサイル問題があったので良くなかったが、今年は韓国を中心にアジアの予約が戻ってきている。」(海外旅行ホールセラー)
- 「夏のファミリー旅行、特に3世代旅行が堅調です。」(総合旅行会社)
3ヵ月後(10~12月)の見通しは厳しい状況。
3ヵ月後(10~12月)は-7ポイント低下しマイナス10。6ヵ月後(1~3月)はさらに下がりマイナス15
- 「9月にある2度の3連休、10月の3連休ともに特に需要が高くなっているとは感じられない。」(インハウス)
- 「アメリカの動向が世界に与える影響が心配。自由な貿易・交流が停滞すれば、世界的に大きなマイナスになりかねない。」(リテーラー2)
- 「訪日需要がまだまだ好調なだけに航空機の座席確保が厳しい路線が引き続きある。」(海外旅行ホールセラー)
(単位:DI)
2年前 (7~9月) |
1年半前 (1~3月) |
1年3ヵ月前 (4~6月) |
1年前 (7~9月) |
9ヵ月前 (10~12月) |
6ヵ月前 (1~3月) |
3ヵ月前 (4~6月) |
現況 (7~9月) |
3ヵ月後 (10~12月) |
6ヵ月後 (1~3月) |
|
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海外旅行全般 | -35 | -28 | -20 | -16 | -16 | -16 | -8 | -3 | -10 | -15 |
※-4 | ※-7 |
※2018年6月期調査見通し数値
1年半前 (1~3月) |
1年3ヵ月前 (4~6月) |
1年前 (7~9月) |
9ヵ月前 (10~12月) |
6ヵ月前 (1~3月) |
3ヵ月前 (4~6月) |
現況 (7~9月) |
3ヵ月後 (10~12月) |
6ヵ月後 (1~3月) |
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総合旅行会社 | -14 | 11 | 10 | 15 | 9 | -4 | 11 | 14 | -11 |
海外旅行ホールセラー | -40 | -35 | -21 | -44 | -25 | -32 | 17 | -11 | -22 |
海外旅行系旅行会社 | -16 | -9 | -14 | -17 | -35 | -6 | 8 | -23 | -15 |
リテーラー1 | -19 | 9 | 3 | 21 | 4 | 43 | 25 | 9 | 9 |
リテーラー2 | -37 | -34 | -26 | -39 | -24 | -15 | -25 | -21 | -25 |
インハウス | -17 | -15 | -12 | 2 | -8 | 0 | 14 | 0 | -5 |
ネット系旅行会社 | -50 | -16 | -100 | 25 | -40 | -40 | 12 | -14 | 0 |
海外旅行の需要動向(方面別)
韓国を筆頭に、アジア全体が堅調な回復。その他地域もわずかながら上昇傾向。
しかし3ヵ月後以降は、多くの地域で緩やかな低下が見込まれる。
- 3ヵ月前(4~6月)に比べ最も上昇したのは「韓国」(+11ポイント)、「アジア(※)」(+8ポイント)、「中国」、「ミクロネシア」(+5ポイント)。その他の地域もわずかながら上昇しており、3ヵ月前を下回った地域は「アメリカ・カナダ」(-1ポイント)のみ。1年前と比べると、「韓国」は+45ポイントと大幅に上昇。「ヨーロッパ」は+20ポイント、「中国」も+13ポイントと順調に推移している。1年前と比べて下回ったのは「ミクロネシア」の-4ポイントのみ。
- 夏休みシーズンの終わる3ヵ月後(10~12月)は、「韓国」、「オセアニア」、「中国」以外の地域では微減が見込まれ、楽観的な見通しとはなっていない。
(単位:DI)
1年前 (7~9月) |
9ヵ月前 (10~12月) |
6ヵ月前 (1~3月) |
3ヵ月前 (4~6月) |
現況 (7~9月) |
3ヵ月後 (10~12月) |
6ヵ月後 (1~3月) |
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ハワイ | 0 | -1 | 6 | 2 | 2 | 2 | 1 |
アメリカ・カナダ | -28 | -25 | -27 | -19 | -20 | -25 | -27 |
ヨーロッパ | -23 | -29 | -17 | -5 | -3 | -9 | -18 |
オセアニア | -30 | -28 | -22 | -33 | -30 | -26 | -21 |
ミクロネシア | -37 | -58 | -45 | -46 | -41 | -42 | -39 |
アジア(※) | 9 | 6 | 9 | 9 | 17 | 13 | 7 |
中国 | -49 | -50 | -47 | -41 | -36 | -34 | -42 |
韓国 | -70 | -68 | -47 | -36 | -25 | -21 | -29 |
※前期より記載を「アジア」から「アジア(中国・韓国を除く)」に変更して調査
海外旅行の需要動向(顧客層別)
夏休みを受け、学生、教育旅行などが3ヵ月前より2桁の上昇。これらは前年比でも大幅増となった。しかし3ヵ月後は夏休みの終わりにより、ファミリーをはじめ減少が見込まれる。
- 3ヵ月前と比べて「学生」が+20ポイント、「教育旅行」が+14ポイント、「ファミリー」が+13ポイント、「OL」が+10ポイントと順調な増加。減少は「商用・視察」の-3ポイント、「ハネムーン」の-1ポイントのみであり、 いずれも微減である。前年比でも「学生」が+19ポイント、「教育旅行」が+15ポイント、「インセンティブ」が+10ポイントなど順調。
- 3ヵ月後(10~12月)は夏休みシーズンの終わりを受け、「ファミリー」の-13ポイントをはじめ、全体的に緩やかに減少する見込み。「インセンティブ」が+4、「ハネムーン」が+3、「OL」、「商用・視察」が+1など、増加が見込まれる顧客層もあるが、いずれも微増。
(単位:DI)
1年前 (7~9月) |
9ヵ月前 (10~12月) |
6ヵ月前 (1~3月) |
3ヵ月前 (4~6月) |
現況 (7~9月) |
3ヵ月後 (10~12月) |
6ヵ月後 (1~3月) |
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ハネムーン | -29 | -33 | -36 | -31 | -32 | -29 | -26 |
ファミリー | -15 | -30 | -21 | -20 | -7 | -20 | -20 |
OL | -25 | -31 | -29 | -33 | -23 | -22 | -24 |
学生(教育旅行を除く) | -48 | -45 | -21 | -49 | -29 | -34 | -29 |
シニア(60歳以上) | -9 | -12 | -1 | -3 | -2 | -4 | -11 |
一人旅 | -24 | -25 | -19 | -30 | -21 | -27 | -26 |
インセンティブ(*) | -26 | -16 | -15 | -20 | -16 | -12 | -22 |
商用・視察 | -4 | -8 | -1 | 0 | -3 | -2 | -13 |
教育旅行 | -29 | -24 | -22 | -28 | -14 | -15 | -21 |
*「インセンティブ」:企業・団体等が従業員への報奨として提供する旅行
旅行市場動向調査について
一般社団法人 日本旅行業協会(JATA)では、JATA会員および中連協会員各社へ調査モニターへの登録を依頼し、会員1394社中、登録のあった616社を対象として、四半期ごとに「旅行市場動向調査」を実施し、その結果を発表しております。
「旅行市場動向調査」は、現況・先行き(3ヵ月後・6ヵ月後)についてのアンケートを実施し、旅行市場の動向を把握することを目的としております。
調査では各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、回答数から「取り扱っていない」(無回答を含む)の回答を除いたものを母数として各回答のシェアを算出し、「良い」を選んだ割合(%)から「悪い」を選んだ割合(%)を引いて、「DI」(=DiffusionIndex ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数に加工して発表しています。DI値の範囲は、全て良い(100)から、全て悪い(-100)の間の評価となります。
※今回の調査結果は6月18日の大阪府北部地震の影響は含まれておりません。
調査概要
- 調査地域
- :全国
- 調査対象
- :JATA会員各社、中連協会員各社の経営者など
- 調査方法
- :インターネット調査
- 調査期間
- :2018年8月2日(木)~8月24日(金)
- 設定数
- :616社
- 回収数
- :293社
- 回収率
- :47.6%
※3ヵ月前の数値は6月18日の大阪府北部地震の影響は含まれず。
現況の数値は台風21号による影響と9月6日の北海道胆振地方中東部を震源とする地震の影響は含まれず。
業態別区分について
「旅行市場動向調査」では、各業況を業態別に分析しています。
各業態の定義と今回調査での回答件数は下記の表の通りとなっています。
業態名 | 定義 | 社数 | 比率 |
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総合旅行会社 | 全国にネットワークを持ち、全分野に商品を持つ大規模な旅行会社 | 31 | 10.6% |
海外旅行 ホールセラー | 海外旅行を専業とするホールセラー会社 | 19 | 6.5% |
海外旅行系旅行会社 | 旅行業の取扱額が50億円以上で、うち海外旅行の取扱額が80%以上の旅行会社 | 13 | 4.4% |
国内旅行 ホールセラー | 国内旅行を専業とするホールセラー会社 | 4 | 1.4% |
リテーラー1 | 上記以外で旅行業の取扱額が30億円以上の旅行会社 | 27 | 9.2% |
リテーラー2 | 上記以外で旅行業の取扱額が30億円未満の旅行会社 | 121 | 41.3% |
インハウス | 親会社の業務渡航などを中心に行っている旅行会社 | 38 | 13.0% |
ネット系旅行会社 | 上記以外でインターネット販売が中心である会社 | 13 | 4.4% |
訪日旅行系旅行会社 | 上記以外で訪日旅行販売が中心である会社 | 27 | 9.2% |
*ホールセラー …パッケージツアーの企画・販売を専門に行う旅行会社
この資料に関するお問い合わせ
- JATA広報室
-
- TEL (03)3592-1244