海外旅行関連情報 海外安全対策便り – 外務省邦人テロ対策室 –
2023年2月10日発行 第7号

更新日:2023年02月10日


★★★ 海外安全対策便り-外務省邦人テロ対策室- ☆☆☆
2023年2月10日発行 第7号


本日は、最近のテロの傾向(中東・アフリカ)と日常に取り入れられる海外安全対策についてご紹介します。皆さんも手軽な安全対策から取り入れてみませんか。

テロ情勢の今―イスラム過激派は中東からアフリカへ
ラジオ感覚で安全対策、「海外安全チャンネル・りょーあん」
今週のチェックリスト

テロ情勢の今―イスラム過激派は中東からアフリカへ

「イスラム過激派の活動地域」と聞いて皆さんはどこを思い浮かべるでしょうか?「中東」の国を思い浮かべたという方が多いかもしれません。しかし、近年は、テロ組織の活動地域は中東・北アフリカからサブサハラ(サハラ砂漠以南のアフリカ地域)に移っています。サブサハラのテロによる死者数は、中東・北アフリカをしのいで世界で最も多く、全世界の約35%を占めているのです。

なぜこのような変化が起きたのでしょうか。米国を中心とした有志国のテロリスト掃討作戦の結果、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)等の国際的なテロ組織がイラク・シリアの支配地域を失った後、サブサハラに活動拠点を移していることが原因として挙げられます。実際に、IS系組織の動きを見てみますと、2022年3月に「ISサヘル州」、5月に「ISモザンビーク州」名義で初めて犯行声明が出されており、新たな支部が誕生していることがわかります。また、アル・カーイダ系の組織についても、ソマリアを中心に活動している「アル・シャバーブ」は、同国で毎日のように襲撃を行っており、テロ組織がサブサハラで活発に活動していることがわかります。

このテロの脅威は、残念ながら日本企業が多く進出する国にも迫っています。実際に、10月には、南アフリカ共和国の首都ヨハネスブルクやナイジェリアの首都アブジャにおいて、テロの脅威があるとして、スポット情報や大使館からのメールで注意喚起を行いました。南アフリカ共和国の日系進出企業は、アフリカで群を抜いて多く、ナイジェリアもアフリカの中で比較すると、多くの企業が進出している国です。現在のところ、実際にテロが発生するには至っておりませんが、こうした多くの日本人が滞在している所でもテロの脅威があることを再認識し、最新の情報を入手する必要があります。

海外での脅威をもっと幅広く、詳しく知りたい!という方には、当室が開催する国内安全対策セミナーへの参加をお勧めします。今年度最後のセミナーを、福岡(2月20日)、大阪(2月21日)、名古屋(2月22日)で開催する予定です。邦人テロ対策室員があなたの街にお伺いしますので、よろしくお願いします!

ラジオ感覚で安全対策「海外安全チャンネル・りょーあん」

最新の情報を入手するのは重要ですが、忙しい中、最新の情報を追うのは大変ですよね。今回は、そんな皆さんにおすすめの手軽に安全対策の情報を得られるツールをご紹介します。

邦人テロ対策室(りょーたい)のお隣の課である海外邦人安全課(りょーあん)は、昨年12月から、音声プラットフォーム「Voicy」(ボイシー)に「海外安全チャンネル・りょーあん」を開設しています。
このチャンネルでは、海外での安全に関する最新ニュースや、安全対策に関するクイズ等を、ラジオのような会話形式でお届けしています。親しみやすく、手軽に、タイムリーな海外安全対策の最新情報を得られるのが特長です。

この新たなチャンネルに、邦人テロ対策室長(りょーたいちょう)も早速出演しました。第6回(#006)では、「テロ」という視点から、海外に滞在する際のポイントやSNSの使い方といったトピックについて、海外邦人安全課長(りょーあんちょう)やりょーたいちょうの体験を交えて解説しています。

1回の配信が15~20分程度と通勤時間などのスキマ時間にもちょうど良い長さとなっていますので、「海外安全チャンネル・りょーあん」をぜひ一度覗いてみてください!

今回のチェックリスト

今週のチェックリストは、「緊急事態に備えてのチェックリスト」PDF (外務省作成『ゴルゴ13の海外安全対策マニュアル』p.204) です。海外で生活する上での基本的な備えについて書かれております。海外生活のお供にぜひ・・・。

外務省領事局邦人テロ対策室 ryoutai@mofa.go.jp
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