会報誌「じゃたこみ」 【EXPO】いよいよ開催 「ツーリズムEXPOジャパン 2022」制作現場の裏舞台に迫る
担当者インタビュー その1<広報編>

更新日:2023年12月22日


 「ツーリズムEXPOジャパン2022」の開催まで、1ヶ月あまりとなりました。コロナ禍において2年ぶりの開催に向け、奮闘する「ツーリズムEXPOジャパン推進室」。年に1度、開催されるビッグイベントがどのようにして作り上げられるのか?担当者の話を交え、その裏舞台に迫る特別企画です。全4回でお届けします。

 

 

第1回目は同推進室で広報を担当する石井 悦子アシスタントマネージャーに話を聞きました。

取材日:2022.07.25


TEJ推進室
石井 悦子アシスタントマネージャー

 

――「ツーリズムEXPOジャパン2022」の開催概要を教えてください

旅に出かける人物が“ジャンプ” 告知ポスターに注目

 9月22日(木)から25日(日)までの4日間、東京ビッグサイトで開催します。近年では地方開催(2019大阪開催、2020沖縄開催、2021は開催中止)が続き、昨年の開催中止を経て、イベント自体2年ぶりの開催、東京では実に4年ぶりの開催となります。会場は、お馴染みの「東京ビッグサイト」、開催テーマは「新しい時代へのチャレンジ~ReStart~」です。既にご覧いただいている方もいらっしゃるかと思いますが2022開催のイベント告知ポスターには「ニューノーマル時代において、『旅のチカラ』で日本、世界を元気にするといったメッセージを込め、世界の観光地を背景にジャンプしてポーズを決める旅行者」をデザインしています。ちなみに、この数年のEXPO告知ポスターと言えば、旅に出かける人物をデザインしていました。「2018は無限に生みだされる『新しい旅のカタチ』を、万華鏡をモチーフに表現」。「2019は日本を含む五大陸を背景に」、「沖縄開催となった2020は世界中のリゾートを背景に颯爽と歩く姿のポーズを起用」。そして、「2022、旅に出かける人物は“ジャンプ”しました。ReStartに向けて飛躍しましょう」半分冗談です・・・。
 (巻末には2014からの歴代告知ポスターも掲載しています。是非、ご覧ください。2023はいかに・・・・)


 

 

――ツーリズムEXPOジャパン推進室の役割は?

9名体制で4つの事業を担う

 「ツーリズムEXPOジャパン推進室」は2014年に開設されました。それまでは「旅博推進室」でしたが、日本観光振興協会が主催してきた「旅フェア」と二つの展示会が統合され、後のJNTO(日本政府観光局)の参画も控え、国内、海外、訪日3つの需要を喚起するためのイベント運営組織として誕生しました。
 イベントを構成する4つの事業(①観光大臣会合や有識者による基調講演など観光最新動向・課題を分析し議論する「フォーラム&セミナー」、②100を超える国・地域が参画する「展示商談会」、③観光業界の方々にネットワーキングの場を提供する「交流事業」、④国内、海外の団体・企業の優れた取組を表彰する「ジャパン・ツーリズム・アワード」<2022年については中止>)を円滑に進めるため日々、奮闘しています。推進室メンバー9名にて、展示会、フォーラム、商談、広報宣伝、営業、総務経理、接遇について担当しています。毎期イベント終了後、開催レポートの作成に着手するやいなや、次年度、開催に向け走り出します。

 

 

――広報としての活動は?

時にはプレッシャーも

 私のミッションはイベントの価値を一般の方、業界の方を問わず広く伝えていくことです。出展者から情報を引き出し、プレスリリース、メルマガ、SNSを駆使して、国内外に情報発信していきます。一般の方に直接お伝えすることはもとより、取材誘致を図りメディア露出を増やし、世に広めていけるよう努めています。宣伝予算が縮小されている中、広報露出への期待度は高くプレッシャーを感じることも多々あります。出展される各社様のSNSで告知していただくなど、出展者様と一体となった取り組みも行っています。「JATA旅博」という名前で開催していた2012年から担当しており「東京2020オリンピック・パラリンピック」開催が決まったり、日本観光振興協会が主催してきた「旅フェア」との統合やJNTO参画により3者共催となったり、また訪日需要が右肩上がりで伸びていき、イベントがどんどん大きく成長していくことを肌で感じている中、コロナ禍に見舞われました。今年度の開催にあたっては、コロナ禍からの復活に向け、一人でも多くの方にご来場いただき、実際に旅行にお出掛けいただくよう広報活動に励んでいます。

 

 

――やりがいや苦労していることは?

「平和」と「もめごと」をダイレクトに

 平和産業とよばれる観光業に携わっていることです。例えば、現在のウクライナは、厳しい情勢にありますが、落ち着きを取り戻せば観光客を送客することで、復興の役にたつことができます。平和な世界の実現に向け自分の仕事を役立てられることを、誇りに思います。話は少し変わりますが、平和について考えさせられた展示会場での出来事をご紹介します。数年前のイベント開催時、出展者ブースにおいて、出展者同士のもめごとが勃発しました。とある国が配布している地図に掲載されている国境線について、言い合いとなったのです。事務局として仲裁に入り、協議した結果、指摘を受けた地図をブースから完全に引き上げることになりました。指摘した国の出展者は、引き上げ後も、度々、チェックに来るなど、現場には緊張感が漂い続けました。100ヶ国・地域が参加するイベントならではの出来事かと思いますが、だからこそセンシティブな問題も多く、特に国家間の対立や領土問題が起こることもあり、とても気を使っています。

 

 

――最後に読者の方へのメッセージを

4年ぶりに東京へ結集、一致団結して盛り上がろう

 コロナ禍に見舞われ2年ぶりの開催となります。ツーリズム産業に携わるみなさんが再び東京に集まるリアルの展示商談会、世界、日本各地域のみなさんが世界的に厳しい状況を経て、4年ぶりに東京に結集することが何よりの醍醐味です。今年度の出展者からは「かつては1年に1度あえる貴重な機会であったイベントの復活を楽しみにしている」、「オンラインイベントは疲れた、リアルイベントは嬉しい」といった声も寄せられています。出展スタイルも、コンテンツも大きく変わっているものもあります。省庁も関わる官民一体の旅のイベント開催を通じて、この先ツーリズム産業がどのような方向で進んでいくのか考える契機となるよう、開催テーマである「ReStart」に向け、一致団結し、みなさんで観光・旅行を盛り上げて行くきっかけとなるようにしたいです。心よりご来場をお待ちしています。

 

 

おまけ

その2<展示会編>はこちら
その3<商談会編>はこちら
その4<フォーラム・セミナー編>はこち