会報誌「じゃたこみ」 【EXPO】いよいよ開催 「ツーリズムEXPOジャパン 2022」制作現場の裏舞台に迫る
担当者インタビュー その3<商談会編>

更新日:2023年12月22日


 年に1度、開催されるビッグイベントがどのようにして作り上げられるのか、「ツーリズムEXPOジャパン推進室」担当者の話を交えその裏舞台に迫る新企画。全4回でお届けします。

第3回目は、同推進室に着任より、今年で11回目の「ツーリズムEXPOジャパン」を迎え、
現在、商談会をメインに担当している渡木 史郎 担当副部長に話を聞きました。

取材日:2022.08.01


TEJ推進室:渡木 史郎 担当副部長

 

 

――聞いてもいいですか? 率直に「ツーリズムEXPO ジャパン」出展者の満足度は?
総合満足度は8割強、商談会については進化の余地あり

 

 こちらは2018年度(東京開催)の出展者アンケート結果です(n=104)。総合満足度は85.9%(非常に満足<青>、満足<橙>)で、各目的別満足度も高く評価いただいております。強いて言えば、商談会の満足度とも捉えられる「具体的な商談・契約」については73.9%(同)となっており、本日、お話しする商談会については、まだまだ“伸びしろ”があると認識しています。
 「ツーリズムEXPOジャパン」は2014年の誕生より、いくつかのステージを設け成長してきました。JATA、日本観光振興協会、日本政府観光局(JNTO)共催となった2014年から2016年は「三位一体により“世界最大級の旅の祭典”の実現」、2017年から2018年は「B to B強化による”展示商談会”の完成」、2019年は「地方開催への挑戦(2019大阪開催、2020沖縄開催となる)」としていました。当該アンケート結果の2018年は、商談会を強化している時期と重なります。東京での商談会開催は実に4年ぶりとなり、みなさまからの期待も高まっていることかと思います。

 

 

――商談会担当としてのお仕事内容は?
みなさんの“お困りごと”を糧に

 商談会の担当ではありますが国内出展営業もやっています。と言いますのも商談会と出展営業は切っても切れない関係にあるからです。事業者や地域に出展営業を行うことで、それぞれの“お困りごと”、“うちだしたいこと”などが見えてきます。情報を積み重ね、お客様(出展者)のニーズを掴み、営業に役立てることができます。また、様々な課題を解決できる商談会の実現に向け、いかに商談会の価値を高めていくか、マーケティングにも役立てています。ということで、年間を通じて、前半は営業活動を中心に、後半は商談会の枠組み設定、招致活動を行っています。

 

 

――商談会について詳しく教えてください
諸外国の商談会と肩を並べられるように進化を

 独自のマッチングシステムにより好評を得ている商談会の主な目的は「旅行商品の造成」による「国、地域への送客」です。国、地域への流入拡大や施設の利用促進を図るため、自治体や観光協会といった地域、宿泊、観光施設などの事業者がセラーを担い、バイヤーはそれらを仕入れ旅行商品化する、旅行会社が担っています。出展者の特典としてセラーとなれる権利がある一方、バイヤーは出展の有無にかかわらず、JATA、日本観光振興協会、JNTO(日本政府観光局)、ANTA(全国旅行業協会)のメンバーであれば誰でもなることができます。近年ではIT関連(通訳機器、ソフト、アプリ等)、プロモーション(インバウンドマーケティング支援など)といった事業者と出展者(旅行会社、地域)の商談が増えていることもあり、観光産業全体の商談会へと発展していくためにも、バイヤーの裾野を広げていく必要性を感じています。また、ITBアジア(第2回記事参照)など、海外の旅行商談会に目を向けると、第三国商談(開催国以外の国や地域同士の商談)やトラベルテック(ITテクノロジーの活用)商談などが行われています。「ツーリズムEXPOジャパン」の展示商談会が、これら先駆的な取り組みを行う諸外国の商談会と肩を並べられるよう進化すべく励んで参ります。会員の皆様からの貴重なご意見も是非、参考にさせてください。

 

 

――苦労している点は?
「本当に開催するの?」といった電話の問い合わせも

 出展営業がまだ目標値まで届いていませんので、本来であれば、既に終えているはずの出展営業を継続しながら、商談会の招致やマッチングシステムの登録依頼といった業務を平行して行っています。コロナ禍における開催のため、業務進行のテンポがスローとなるのが悩みです。2年半のブランクを経た今、旅行会社においては、組織変更や担当者の変更があり、今期、初めてEXPOを担当するといった方も多いようです。バイヤーとしてのシステム登録に躊躇している方もいらっしゃるのではないかと思います。ご不明な点は丁寧に説明いたしますので、お気軽にお問合せください。また、昨今の感染拡大により「本当に開催するの?」、「日本は大丈夫なのか?」、「東京は安全なのか?」との問い合わせもちらほら、開催について半信半疑になっている方もいます。このような中、商談会を成立させるのに必要とされる数まで、バイヤーを募るのに苦労しそうです。

 

 

――最後に読者の方へメッセージを
情報アップデート、ネットワーキングに是非ご来場ください

 復活した「ツーリズムEXPOジャパン」、商談会への参加問わず、情報アップデートのためにも、ぜひご来場ください。2年半の時を経て、業界内外において、人との関り合いが薄くなってしまった方も多いのではないでしょうか。業界来場いただき、各ブースをまわって、ネットワークを広げてください。みなさまと一緒に観光業、旅行業の本格的な復活となるよう狼煙をあげたいと思います。

その1<広報編>はこちら
その2<展示会編>はこちら
その4<フォーラム・セミナー編>はこち